カテゴリ: マンガ・CG / 作品形式: マンガ
サークル: 絶対少女 / DL数: 158 / 価格: 1,210円
同人マンガの世界で「シリーズ第四弾の総集編」という響きを聞いて、思わず背筋が伸びる人間がどれだけいるか。俺はその一人だ。サークル「絶対少女」の看板シリーズ『魔法少女総集編4』。ナンバリングが4まで来ているという事実だけで、このシリーズがどれだけ根強く支持されてきたか想像がつく。だが「4」と聞いて真っ先に浮かぶのは「今から入って大丈夫なのか?」という疑問だろう。その辺りも含めて、じっくり掘り下げていく。
どんな作品か——「魔法少女×ハーレム×ちょっと変わった設定」
まず前提を整理しよう。これはオリジナルのハーレム系H漫画であり、「魔法少女シリーズ」と銘打たれた連載ものの総集編・第四弾だ。舞台は「よなよな町」という架空の町。そこに跋扈する淫獣を退治するのが魔法少女たちの仕事で、退治した数を競い合っているらしい。ここまではよくある魔法少女パロディの文法だが、面白いのは主人公・浅井君の立ち位置だ。彼は淫獣を引き寄せてしまう「特異点体質」の持ち主で、魔法少女たちにとっては「この男の近くにいれば淫獣がホイホイ来るから討伐数を稼げる」という、言ってしまえば移動式の釣り堀みたいな存在になっている。だから魔法少女たちが彼を奪い合う。
普通のハーレムものだと「なぜこの男がモテるのか」の説明が雑になりがちだが、ここでは設定レベルで「女の子たちが主人公に群がる動機」が組み込まれている。最初は利害関係で近づいてきた魔法少女たちが、どうやらそれだけじゃなくなっていく——という展開が想像できるし、その過程がシリーズを追う楽しみになっているのだろう。さらに、魔法少女に選ばれる条件が「お願いを断れない性格」「エッチなBody」だとか、「他人の思考が分かってしまう」特殊能力がHシーンにどう影響するのか、といった独自の味付けもある。思考が読めるということは、相手が何をされたいか丸わかりということで……まあ、その先は各自の想像にお任せする。
今回の総集編4は「魔法少女13.0」から「16.0」までの4作品を収録し、さらに総集編描き下ろし14ページを加えた構成。本文131ページにサンプル20ページという分量だ。テーマは夏合宿。温泉同好会という名目で、水着あり温泉あり、主人公を「性的に癒す」リラクゼーションが盛りだくさんとのこと。ミサ姉、由比ちゃん、エリカ、キララといったキャラクターたちが登場し、手加減なしのご奉仕を繰り広げるらしい。
リファインの意味——「ただの再録じゃないぞ」という矜持
総集編と聞くと「既に出た個別作品をまとめただけでしょ?」と身構える人もいるだろう。俺だってそうだ。棚の奥から引っ張り出して束にしただけのものに金を払うのは、さすがに財布が泣く。だが本作については、全ページの線画や影の濃度を新たに調整し、リファインした上での電子書籍化だと明言されている。つまり、個別に買っていた人にとっても「同じものの寄せ集め」ではなく、画面の仕上がりが底上げされたバージョンを手に入れられるということだ。
漫画においてトーンや影の処理がどれだけ印象を左右するかは、読み手ならわかるはずだ。特にHシーンでは肌の質感や立体感が没入度を大きく左右する。同人作品の場合、初期作と後期作で作画の成熟度に差が出ることは珍しくないし、それを総集編のタイミングで揃えてくれるのはシリーズ愛がある証拠だと思う。サークルの自作品に対する手入れの丁寧さは、作品そのものの信頼感に直結する。なお、本文末尾には各総集編のサンプル画像が多めに収録されているとのことなので、過去の総集編の雰囲気も確認できるという親切設計だ。ただし、サンプルの局部修正と本文の修正は異なるとのことなので、その点は頭に入れておこう。
「4」から入っていいのか問題
これは避けて通れない。シリーズの4作目の総集編、つまり通算でいえばかなり話が進んだ段階の作品だ。キャラクターたちの関係性や、浅井君と各魔法少女のこれまでの経緯を把握していないと楽しめないんじゃないか——そんな不安はもっともだ。
正直に言えば、ハーレム系H漫画の場合、シチュエーションの魅力が単体で成立している作品も多い。「温泉合宿で水着の女の子たちにご奉仕される」というシチュエーションは、前後の文脈がなくても視覚的・感覚的に楽しめる部分は大きいだろう。とはいえ、キャラの性格や過去のやりとりの積み重ねがあってこその「手加減しないご奉仕」のはずだし、思考が読める能力の活かし方もシリーズを通じて変化しているかもしれない。最大限に楽しみたいなら過去の総集編から追うのが理想、だが「絵柄とシチュエーションが気に入ったなら4からでも致命的ではない」というのが現実的な判断だと思う。気になるなら製品ページのサンプルでキャラの雰囲気を確認し、自分の好みに合うかをまず見てほしい。
値段と分量、冷静に計算してみる
価格は1,210円、セールなしの定価だ。本文131ページ+描き下ろし14ページで、サンプル20ページを差し引いた実質的な本編は131ページ。同人マンガの総集編としてはまずまずのボリュームだろう。1ページあたり約9円強。商業コミックス1冊が700〜800円で160〜200ページ前後であることを考えると、ページ単価は若干高いが、そもそも同人作品と商業コミックスを同列に比べるのはナンセンスだ。リファインの手間も込みで、4作品分+描き下ろしが1冊にまとまっている利便性を考えれば、個別に買い揃えるよりも効率は良いはずだ。
DL数は158。ランキング8位という数字から見ても、ニッチすぎて埋もれているわけではなく、しっかり一定の支持を集めている。ただし評価データが見当たらないのは少し判断材料が乏しい。逆に言えば「悪い評価が目立つ」こともないわけで、シリーズとして堅実に続いてきた実績がそのまま品質の裏付けだと受け取ってもいいだろう。
こんな人に向く、こんな人は立ち止まれ
向いている人はまず、ハーレム系が好きで、なおかつ設定にひと癖ある世界観を楽しめる人。「魔法少女が主人公を奪い合う」という構図にピンときたなら、かなり相性がいいはずだ。加えて、水着・温泉・リラクゼーションといったシチュエーションに弱い人。夏の開放感とエロが融合した空間に浸りたいなら、まさにドンピシャだろう。
一方、立ち止まったほうがいい人もいる。まず、シリーズの途中から入ることにストレスを感じるタイプ。キャラの関係性を最初から追いたい完璧主義者は、素直に総集編1から始めたほうが幸せになれる。また、ストーリー重視で「H以外のドラマ部分」に重きを置く人は、ハーレム系特有の「女の子が次々とご奉仕してくれる」展開がやや単調に感じる可能性がある。もっとも、その辺りは製品ページのサンプルである程度判断がつくはずだ。
締めに——魔法少女は4作目でも衰えない
シリーズが長く続くということは、作り手にも買い手にも体力がいる。それでもナンバリングを重ね、毎回リファインまでかけて送り出してくるサークル「絶対少女」の姿勢は、素直に好感が持てる。温泉回という王道にして鉄板のシチュエーションを、このシリーズならではの設定と絡めてどう料理しているか。気になったなら、まずはサンプルを覗いてみるといい。浅井君の気持ちが、ほんの少しだけわかるかもしれない。
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