カテゴリ: ゲーム・動画 / 作品形式: アクション
サークル: 色仕掛け工房 / 評価: 4.6 (625件) / DL数: 7,710 / 価格: 1,980円
「色仕掛け」という言葉にピクッと反応してしまう自分の業の深さはさておき、サークル『色仕掛け工房』の最新作『淫魔てんぷてーしょん・だぶりゅ~♡♡』である。タイトルの「だぶりゅ~」が何を意味するのか一瞬考えたが、おそらく前作からの「W」=続編ということだろう。深読みしてはいけない。見下ろし型のアクションゲームで、淫魔たちの色仕掛けを「ガード」「ローリング」で凌ぎながら進むという、冷静に書くと正気の沙汰ではない設計が魅力の一本だ。
どんなゲームなのか——「負けたくなる」アクションという矛盾
ジャンルとしては見下ろし視点のアクションゲーム。攻撃・ガード・ローリング・特殊攻撃の4操作を使い分けて淫魔たちと戦っていく。ここまで聞くと某死にゲーを彷彿とさせるが、決定的に違うのは敵が色仕掛けで誘惑してくるという点だ。投げキッスで魅了され、拘束されてそのまま……という展開が待っている。つまり「勝ちたい」と「負けたい」が脳内で同時に発火するという、人類の意志力を試すタイプのゲームである。
前作からの進化点として、ジャストガードによるゲージ蓄積からの特殊攻撃、装備による能力強化、一度だけの復活システムが追加されている。探索面でもジャンプによる高低差移動、ワープ機能、隠しアイテムの配置など、ゲームとしての骨格がしっかり太くなった印象だ。レール移動でマップを滑走するスピード感もあり、「同人ゲームだからこの程度でしょ」という先入観を良い意味で裏切ってくる。ガードが全方位対応でジャストガードの判定も甘め、アクションが苦手な人でも門前払いされない設計になっている。ここは親切だと思う。
ドットアニメーションの力——「質」で殴ってくるタイプ
このゲーム最大の武器は、間違いなくドットアニメーションの出来だ。エッチシーンは全てドットアニメで表現されており、特にボス戦で展開される「デカドットアニメーション」は圧巻。ボス3体にそれぞれ3種類の大判ドット搾精シーンが用意されていて、射精時のアニメーションまで丁寧に描き込まれている。セリフ演出も合わさって、ドットという表現形式の底力を見せつけてくる。
戦闘中の細かい演出も見逃せない。魅了状態になると主人公の目がハートになり、勃起状態もドットでしっかり表現される。投げキッスを連発してくる魔女、キス攻撃で迫ってくるサキュバス——戦闘そのものが「色仕掛け」のプロセスになっていて、エッチシーンに入る前から気分が仕上がっていくという構造が巧い。「やられる前にやられたくなる」というのはアクションゲームとして致命的なバグのようだが、このゲームにおいては仕様である。
ただし、今作は胸関連のシチュエーションがかなり多めだ。パイズリ系の描写に偏る傾向があり、純粋なフェラシーンが見当たらないのはフェラ派の同志にとって物足りないかもしれない。パイフェラのシーンはあるものの、SE(効果音)がパイズリ寄りで「ちゅぱ音」が足りないという、妙に具体的だが切実な問題がある。胸が好きなら天国、口元重視なら「……惜しい」と唸る、そんなバランスだ。
ボリュームという永遠の課題
さて、ここからは正直に書かねばならない。クリアまでの所要時間は概ね2〜3時間。アクションに慣れている人なら2時間を切る可能性すらある。1,980円という価格に対して、この尺をどう感じるかは人それぞれだが、「もう終わり?」という感覚を覚える人は少なくないだろう。
敵キャラはボス含めて総勢11体。新キャラ一新と銘打たれてはいるが、同じマップ内で同じ敵と繰り返し戦う場面が多く、金策(装備購入のための資金稼ぎ)の過程でやや単調さを感じる瞬間がある。さらに言えば、雑魚敵のエッチアニメーションは基本1種類のみ、ボスでも2種類。前作では1キャラに2〜3種類あったらしいので、ここは数字上の後退だ。
加えて、全キャラに敗北シーンがあるわけではない。フィールドで拘束攻撃をしてくるのに、その先の敗北シーンが用意されていないキャラがいる。ラスボスに拘束技がないのも「一番盛り上がるところで……!」という惜しさがある。ゲームシステムの進化にリソースを振った分、エロ方面のボリュームがやや割を食った、という構図が透けて見える。面白いゲームを作ろうとする誠実さが裏目に出ているとも言えるわけで、なんとも複雑な気持ちになる。
魅了システムの「もったいなさ」
今作の新要素である魅了状態——敵の攻撃で主人公の目がハートになって動けなくなる——は、コンセプトとしては最高に「色仕掛け工房」らしい。が、この魅了状態がゲームプレイやエッチシーンにどこまで深く絡んでいるかというと、やや消化不良な面がある。せっかく心を奪われた状態なのに、そこからの展開がもう一段あれば……という「あと一歩」感。アイデアの種は極上なだけに、次回作での発展を期待したくなる部分だ。
回想モードの功罪
地味だが重要な情報を一つ。このゲーム、序盤の段階で全エッチシーンが回想モードから閲覧可能になっている。「最初のボスに負けて金策しようと思ったら全部見られた」という状況が発生する。ゲームを進める動機がエロシーン解放にあるタイプの人にとっては、モチベーションの梯子を外される格好になりかねない。もちろん「面倒なことせずに全部見られるなら助かる」という向きもあるので、これは完全に好みの問題だ。ただ、ゲーム進行と報酬設計の噛み合わせとして「これでいいのか?」と思わなくもない。
操作環境について一言
キーボード操作が前提で、マウスにも対応している。ただしキーコンフィグ(キー割り当ての変更)には対応していない。ノートPCでマウスなしプレイは相当つらいという声があるので、デスクトップ環境かコントローラー接続を推奨する。購入前に自分のプレイ環境を確認しておくのが無難だ。
評価4.6・DL数7,700超——この数字が語ること
平均評価4.6、レビュー数625件、DL数7,710。同人アクションゲームとしてはかなり強い数字だ。しかも前作ありきのシリーズ物でこの伸びということは、前作で掴んだファンがしっかり戻ってきている証拠でもある。評価の内訳を見ると、ドットアニメーションの質を絶賛する声はほぼ全員一致。一方でボリュームへの不満もまた共通している。つまり「短いけど、ある部分は本物」——これがこのゲームの正確な立ち位置だと思っていい。
こんな人に向く / 向かない
向く人: ドットアニメーションの色仕掛け・誘惑シチュに特別な思い入れがある人。「質>量」派。見下ろしアクションとして手触りの良いゲームを短時間で楽しみたい人。胸・パイズリ系が好きな人にはドンピシャだ。前作未プレイでもストーリー的な繋がりはないので問題ない。
向かない人: 2,000円近く出すなら最低5時間は遊びたいというボリューム重視派。フェラ・口淫メインで楽しみたい人。全キャラに敗北エッチシーンがないと許せない人。キー変更できない操作環境がストレスになる人。
結局、買いなのか
1,980円でセールなし。正直に言えば、2〜3時間で終わるゲームに約2,000円は安くない。だが、このドットアニメーションの質と「色仕掛け」というコンセプトの純度は、同ジャンルの中でも頭一つ抜けている。量で満足するゲームではなく、一つ一つのシーンを繰り返し味わうタイプの作品だと割り切れるかどうか。そこが分岐点だ。気になっているなら、まずは製品ページでドットのサンプルを確認してみてほしい。あの動きを見て心が動いたなら、たぶんもう答えは出ている。
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