カテゴリ: ゲーム・動画 / 作品形式: シミュレーション
サークル: ちょべりばおり~ぶ / 評価: 4.59 (687件) / DL数: 7,352 / 価格: 1,650円
ランダム生成の亜人が6垓通り以上だと聞いて、「垓ってなんだ」とまず単位を調べるところから始まった男がここにいる。サークル「ちょべりばおり~ぶ」のシミュレーション作品『亜人檻-デミオリ-』、DL数7300超え・平均評価4.59という堂々たる数字を引っ提げた、モンスター娘調教×育成×冒険RPGだ。調教で強くした亜人を連れて島を攻略するという、文字面だけ見ると完全に人間性の危機だが、そこがいい。
どんなゲームか——「育てて・交わして・冒険する」三位一体の沼
基本的な流れはこうだ。ランダム生成された亜人を捕まえ、マウス操作で「おさわり調教」を行い、ステータスを上げて島の探索やボス戦に挑む。亜人は調教すればするほど強くなるという、まったくもって教育的とは言い難いが妙に説得力のあるシステムが採用されている。「勉強しろ」と言われるより「気持ちよくしてやるから強くなれ」と言われたほうが人間……いや亜人もやる気が出るのかもしれない。
最大の特徴はランダム生成による亜人の外見バリエーションだ。様々な種族特徴の組み合わせが6垓通り以上あるというのは数字としてはほぼ意味がわからないが、要するに「同じ見た目の子には二度と会えない」ということだ。さらにカラーパターンまで考慮すると天文学的を通り越して宇宙の終焉レベルの数になるわけで、ガチャとはまた違う「一期一会」感がある。しかもこの外見は調教シーンだけでなく、探索パートのSDキャラにもちゃんと反映される。手塩にかけて育てた子がちょこちょこ動いて敵と戦ってくれるのは、思った以上に愛着が湧くポイントだろう。
そして「遺伝子保存」システム——つまり配合・交配だ。気に入った特徴を持つ亜人同士を掛け合わせて理想の子を作ることができる。某有名同人ゲームの系譜を感じる仕組みだが、RPG要素を手厚くしている点がこの作品の独自色と言える。自分好みの亜人を狙って作り込むもよし、偶然出会った子を相棒として育て上げるもよし。ここにハマると本当に時間が蒸発する。仕事の日の深夜にうっかり起動すると翌朝のアラームが処刑執行のベルに聞こえるタイプのゲームだ。
エロシーンの中身——こだわりと物足りなさの同居
全エロイベントがアニメーションで用意されているのは素直に評価したい。紹介文にも「こだわりのアニメーション」と銘打っているだけあって、おさわり調教の手触りには力が入っている。性感帯を探りながらマウスで責めていくというインタラクティブな作りは、ただCGを眺めるだけの作品とは一線を画す体験だ。
ただし、体位やプレイ内容のバリエーションについては物足りなさを感じる可能性がある。序盤は特に体位が限られるようで、搾乳や出産といったイベントも繰り返し発生するわりにスキップがしにくい(あるいはできない場面がある)という声が聞こえてくる。これはゲームの性質上、繰り返しプレイが前提になるため、周回が進むほどストレスになりかねない部分だ。「エロの多彩さ」を最優先に求める人には、育成・冒険要素の比重が高い本作の方向性がやや合わない場面もあるだろう。
一方で、亜人だけでなく主人公をサポートしてくれる仲間キャラクターとも親密になればHシーンが発生するとのこと。亜人一辺倒にならず「人間(?)の女の子ともちゃんと楽しめる」という導線は、プレイの変化球として地味にありがたい。
冒険パート——育成の先にある「攻略」の歯応え
島を治める女王と四人のボス亜人を倒すことがゲームのゴール。調教で鍛えた亜人とバディを組んで探索するパートでは、慎重に進むか一気に駆け抜けるかの判断が求められる。維持費の概念があるため、亜人をむやみに抱え込むと経済が破綻するという、意外とシビアなリソース管理もある。初見では維持費に追われて「俺は亜人の調教師じゃなくて借金取りに追われる多頭飼育崩壊おじさんでは?」と思う瞬間があるかもしれないが、そこを乗り越えると戦略性が見えてくる。
最初の一体を集中育成して最短クリアを目指すプレイも可能で、クリア後には亜人の外見を任意で変更できる機能が解放される。これは周回プレイのモチベーションを大きく左右する要素だ。「クリアまでは運命の出会いを楽しみ、クリア後は理想を追求する」という二段構えの設計は、うまいと言わざるを得ない。
ただし後半になると、探索やボス攻略がやや単調な作業感を帯びてくるのは否定できない。育成と冒険のサイクルが固定化されてくると、新鮮味が薄れるタイミングはある。ここはプレイスタイルによるところが大きく、配合沼にどっぷり浸かれるタイプなら気にならないだろうが、「ストーリーの展開でグイグイ引っ張ってほしい」タイプには中だるみに感じるかもしれない。
この数字が語ること——7300DLと評価4.59の意味
DL数7352、評価4.59(687件)。同人シミュレーションとしてはかなりの好成績だ。特に評価件数687というのは、購入者の約10人に1人がわざわざレビューを書いている計算になる。同人作品でこの比率は珍しく、それだけ「語りたくなる」作品だということだろう。
評価の分布を見ると、高評価勢は外見生成の完成度と育成の中毒性を口を揃えて讃えている。一方で低めの評価は、エロのバリエーション不足や後半の作業感を指摘する傾向がある。つまり「育成・配合の沼」に価値を見出せるかどうかが、この作品の評価を分けるラインだ。逆に言えば、その沼にハマれる人にとっては4.59どころか5をつけたくなる作品であり、実際そうしている人が多い。
種族の幅——現状の惜しさと将来への期待
6垓通りとは言うものの、現状では種族のカテゴリに偏りがある点は正直に触れておきたい。水棲系(人魚や蛇の下半身)やスライム系の亜人は現時点では作成できない。敵の雄亜人には触手やスライムがいるだけに、「こっちでも作りたい……」という飢餓感が生まれる。青肌の亜人が出るくせに人魚属性がないのは、寿司屋でシャリだけ出されたような気持ちになる人もいるだろう。ただ、裏を返せば今後のアップデートで追加される余地が大きいということでもある。サークルの姿勢次第だが、現状の完成度を見る限り期待していいのではないか。
こんな人に向いている、こんな人は慎重に
向いている人: モンスター娘が好きで、自分だけの「推し」を配合と育成で生み出すことにロマンを感じる人。ランダム生成系のゲームで「ガチャ運」ではなく「遺伝子の設計」で理想を追えることに興奮する人。RPG要素がしっかりあるゲームとして腰を据えて遊びたい人。ついでに深夜まで起きていてもいい生活環境の人。
慎重になったほうがいい人: エロシーンの体位やプレイ内容の多彩さを最重視する人。反復作業が苦手で、同じサイクルの繰り返しに耐えられない人。人魚やスライム娘が絶対に欲しいという強い信念をお持ちの方。
価格について——1650円は高いか安いか
定価1650円、現在セールなし。同人シミュレーションとしてはやや強気の価格帯に見えるかもしれないが、配合沼にハマった場合のプレイ時間を考えると時給換算で恐ろしく安い娯楽になる可能性が高い。うっかり徹夜する大人が続出している作品で1650円なら、睡眠時間という対価のほうがよほど高くつく。ボリュームに関しては価格以上のものがあると見ていいだろう。
最後に
「同じ顔の亜人とは二度と会えない」——この一言に心が動いたなら、たぶんもう答えは出ている。理想の一体を追い求めるもよし、偶然の出会いを大切にするもよし。その判断を、あなた自身の手で楽しんでみてほしい。
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