カテゴリ: マンガ・CG / 作品形式: マンガ
サークル: 秘密結社うさぎ / DL数: 47 / 価格: 2,750円
サークル「秘密結社うさぎ」が送り出す、だんちょ先生の軌跡をぎゅっと凝縮した決定版、それがこの『秘密結社うさぎ総集編2』だ。前作を凌駕する300ページ超え、総計310枚という、もはやタブレットを持つ手が微かに震えるレベルの「電子の鈍器」となって帰ってきた。2022年から2026年という、激動の数年間(まだ見ぬ未来の年号まで入っているあたりに、この総集編の壮大なスケールとSFチックなロマンすら感じるが)に発表された珠玉の9作品に、おまけ本や描き下ろしをこれでもかと詰め込んだ、まさにファンにとってはご褒美、未体験者にとっては入門書として最適な一冊に仕上がっている。
圧倒的なボリュームと「歪んだ愛」が詰まった収録内容
本書の目玉は、なんと言ってもその圧倒的な収録作品のバリエーションと、そこから漂う「歪んだフェティシズム」の濃厚さだ。だんちょ先生の真骨頂とも言える、人間のちょっとダークな欲望をこれでもかと刺激するラインナップがズラリと並んでいる。
まず目を引くのが、男の不条理な征服欲をこれでもかと満たしてくれる「委員長は今日からみんなのオモチャ」シリーズ3部作だ。委員長という、クラスで最も規律を重んじるはずの存在が、じわじわとプライドをへし折られ、最終的に「終わった学校生活」へと叩き落とされるプロセスは、言葉は悪いが「最高のごちそう」以外の何物でもない。真面目な子が泣きそうな顔をしながら理不尽に従わざるを得ないシチュエーションに、男のサガが刺激されないわけがないのだ。
さらに、自業自得という名のエンターテインメントを体現した「かわいいけど性格悪いからイジメちゃお!」シリーズも3作きっちり収録されている。この「性格が悪いから」という免罪符があるおかげで、読者はこちらの罪悪感を綺麗に洗い流した状態で、思う存分ドSな視点からいじめっ子(そしていじめられっ子へと転落する彼女ら)の姿を堪能できる。弁償のために枕営業に奔走する姿など、健気さと滑稽さが絶妙にブレンドされており、ページをめくる指が止まらなくなること請け合いだ。
他にも「後輩の彼女、つまみ食い」といった、背徳感の塊のようなNTR系から、「性欲オバケに呪われちゃった!?」のような少しオカルトでコミカルな香りがする作品まで、男の「こういうのが見たかったんだよ」というニッチな欲望を網羅している。これらが1つのファイルに収まっているのだから、本棚の整理整頓という意味でもこれ以上ない親切設計と言えるだろう。
2750円と「47DL」という絶妙な数字の裏を読む
さて、ここで少し冷静にデータを見てみよう。本作の販売価格は2750円、そしてDL数は現時点で47、ランキングは21位となっている。
「2750円って、同人マンガとしては少し気合のいる価格じゃないか?」と思うかもしれない。だが、ちょっと待ってほしい。ここで電卓を叩いてみよう。収録されているのは本編9作品に、会場限定おまけ本が3種、さらに本書限定の描き下ろしが12枚だ。1作品あたりに換算すると、なんと300円以下という驚異的な安さになる。これは缶コーヒー2本分、あるいはちょっとした牛丼一杯分のお値段で、だんちょ先生の極上のダークロマンが1本まるごと手に入る計算だ。そう考えると、この2750円という数字は「むしろ安すぎるのでは?」と思えてくるから不思議なものである。
また、DL数47という数字に対してランキングが21位に食い込んでいる点も見逃せない。これは、コアなファンや「本当に良いもの」を嗅ぎ分ける能力に長けた同人ソムリエたちが、発売と同時にこぞって手に入れている証拠だ。大衆に迎合しない、しかし特定の層にはクリティカルヒットする。そんな「知る人ぞ知る名作」の風格が、この数字のバランスからぷんぷんと漂っている。
あなたの性癖は耐えられるか? 本書が向く人と避けるべき人
この作品は、万人に愛されるディズニー映画のようなものではない。むしろ、深夜にひっそりと営業している怪しいBarのようなものだ。そのため、向く人と向かない人がはっきりと分かれる。
おすすめしたい人:
- ヒロインが理不尽な状況に追い詰められ、泣き顔を見せる瞬間に至上の喜びを感じる人
- 「自業自得」や「脅迫」といったワードを聞くだけで、胸の鼓動が速くなる人
- 一人の作家の画風や表現の進化を、300ページという大ボリュームで一気に追いかけたい人
おすすめしない人:
- 朝起きて小鳥のさえずりを聞きながら、純白のドレスを着た幼馴染と手をつなぐような純愛を求めている人
- 少しでも暴力的な描写や、ヒロインが不憫な目に遭う展開に心が痛んでしまう優しい心の持ち主
- 「黒棒」による修正に耐えられず、すべてが白日の下に晒されていないと満足できない人
もし君が前者に該当するなら、今すぐ購入ボタンの上にカーソルを移動させるべきだ。君の期待を裏切らない、極上の「おもちゃ箱」がそこには待っている。
グレースケールと「黒棒」という様式美
今回の総集編化にあたり、全てのデータがグレースケールで再編集されている。カラーも良いが、やはりモノクロ(グレースケール)で表現される陰影こそが、だんちょ先生の描くダークな世界観、特にキャラクターたちの絶望に満ちた表情や、怪しい光が差し込む室内の空気をより引き立てる。白と黒のコントラストが、肉体の美しさと同時に、シチュエーションの冷酷さを際立たせるのだ。
また、修正方式が「黒棒」である点も、オールドファンにはたまらない魅力だろう。モザイクのようなデジタルな処理とは異なり、黒棒には「ここに確かに何かが存在する」という無骨な主張がある。この「隠されているからこそ、想像力が刺激される」という、同人界における伝統的な様式美を存分に味わってほしい。
重複購入の罠と、電子限定の「ご褒美」
購入にあたって一点だけ注意してほしいのが、商品紹介文にもある通り「重複購入」だ。もし君がだんちょ先生の熱狂的な信者で、すでに収録されている9作品のほとんどを単品で購入している場合、中身の大部分が被ることになる。
しかし、それでもなおこの総集編を手に入れる価値はある。なぜなら、C103、C105、C107の「会場限定本・おまけ本」が合計22枚収録されているほか、本書だけの【電子版限定】描き下ろしが12枚も収録されているからだ。この12枚のためだけに2750円を払えるか? という問いに対して、「だんちょ先生の新規絵なら喜んで!」と答えられる訓練された紳士であれば、迷う理由はどこにもない。むしろ、これまでの作品が一堂に会したライブラリとして、iPadの特等席に飾っておくべきだろう。
まだだんちょ先生の作品に触れたことがないという人にとっては、この重複を気にする必要すらなく、ただただ「お得なパラダイス」が広がっているだけだ。最初の第一歩として、これほど贅沢で、これほどコストパフォーマンスに優れた選択肢は他にない。
今夜は部屋の明かりを少し落とし、お気に入りの飲み物(できれば少し強めのお酒が良い)を手元に用意して、この310枚の背徳の物語にどっぷりと浸ってみてはいかがだろうか。読み終わる頃には、君の新しい扉がまた一つ、音を立てて開いているかもしれない。







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